入場人員 8月14日(金):約130人、8月15日(土):約120人(関係者含)※めんこいエンタープライズ調べ
レコーディング機材を満載したミキサー車と電源車が13日東京を立ち、深夜のうちに一関入、ベイシーの裏庭倉庫の前に陣取る。その後を追う様に14日午後2時13分、ハンク・ジョーンズ一行が新幹線で一ノ関駅を降り立ち、店主・菅原正二氏の出迎えを受ける。その足で、会場のジャズ喫茶ベイシーにメンバー、音楽プロデューサー伊藤八十八氏、レコーディングスタッフが集まり、入念なマイクセッティングが行われた。その数はおよそ20本に及ぶ。
その後、リハーサルと録音機材のチェックが行われ、開場の午後6時には、遠くは大阪や東京から訪れた熱心なファンたちによってジャズの聖地“ベイシー”は、立錐の余地が無いほどの大入りとなった。予定を少し遅れてバックメンバーが登場、大きな拍手に迎えられてハンク・ジョーンズ氏が菅原氏に付き添われて登場した。トリオを中心に、時折テナーサックスが絡む編成でスタンダードナンバーを中心に珠玉の音色と完璧なまでのアンサンブルを披露し、その圧倒的な表現力と繊細なタッチで観客を魅了した。
サプライズも用意された。先月7月31日に91歳の誕生日を迎えたハンク・ジョーンズ氏のお祝いに、初日は会場内のどこからともなくバースデイソングの合唱が、2日目は店主・菅原氏からバースデーケーキが贈られたのである。
最終日、最後の演奏が終わると、ハンク氏から今回の企画に携わったスタッフと会場を埋め尽くした大勢のファンに対して感謝の言葉が述べられ、2日間の真夏の夜の夢は幕を閉じた。
現在入手が困難なアンペックス456ハーフインチテープを使用したアナログレコーディングによる原盤は、9月中にマスタリングされ、9月11日(金)からネット先行予約開始、10月2日(金)、東京国際フォーラムで開催されるインターナショナルオーディオショウのJBL(ハーマンインターナショナル(株))出展ブースで、菅原・伊藤両氏(“SWIFTY88”)のトークを交え、お披露目される予定だ。